• お魚図鑑 - チヌ(クロダイ/黒鯛)
  • 2025/06/22 2:05

魚名(当ブログでの呼称)

チヌ

和名

黒鯛
(クロダイ)

英名

Japanese black porgy sea bream

その他の有名な名称

ババタレ、チン、クロ

分類

スズキ目 / Perciformes
亜目
----
タイ科 / Sparidae
亜科
ヘダイ亜科 / Sparinae
クロダイ属 / Acanthopagrus
クロダイ A. / schlegelii

チヌの特徴

カッコいいフォルム!?

背中側・背ビレは黒ないし灰色、腹側は白い。灰色~銀色の体色に黒の縦縞模様が特徴的だが個体によっては薄かったり欠損していたり不明瞭なことも多い。
銀色の体色にハッキリとした黒色の縦縞模様、黒色の背ビレに尾ビレと全てがハッキリした個体が釣れると思わず「格好良い」と呟いてしまうだろう。

近縁種にキビレ(キチヌ)がいて、こちらはヒレの各種が黄色を帯びているが、チヌの幼魚も黄色いことがある。大きな個体になると差は歴然です。

チヌって実は出世魚

チヌは成長によって名前が変わる出世魚です。

【関 東】
  チンチン → カイズ → クロダイ
【関 西】
  ババタレ → チヌ → オオスケ

とそれぞれ名前が変化するが、全般的にクロダイまたはチヌと呼ばれることがほとんどである。

チャリコ(マダイの20cm未満の個体)が釣れたときにマダイが釣れたという感覚に近い・・・というより、ただ単に出世魚という認識が薄いだけなのかもしれません。

成長速度は晩成型

チヌは成長が遅いことも有名です。

チヌマダイ
1年 約12cm1年 15~18cm
5年 約26㎝2年 23~25cm
9年 約40cm3年 30cm~

と、マダイと比較すると2年目以降の成長がかなり遅いのがわかる。
秋ごろには10cm前後のチヌの若個体(生後1年目)をたくさん見かけます。

♂から♀へ性転換する珍しいタイプ

2~3歳までは全部♂個体で、4~5歳で卵巣が発達し、雌性ホルモンが十分な個体が性転換をし♀となる。
マダイなどのお魚さんで性転換する魚はメス→オスへの性転換が一般的で、チヌを含めたヘダイ亜科は逆の雄性先熟の珍しいタイプで、有名なお魚でいえばクマノミもこの雄性先熟です。

年無しチヌってよく聞くけど、何のこと?

最大70cmを超える個体、一度は釣ってみたいですが、堤防や河川の河口部などでよく釣れるサイズは20~40cmが多く、50cmを上回ると「年無しチヌ」と呼ばれる。

「年無し」と呼ばれる理由として、チヌは成長が遅いため何年生きているのか分からないことから。

基準は地域差もあるが一般的には50cm以上で、このサイズに達するには早い個体で10年以上、平均的には16~20年といわれています。

銀色の体色に少し薄いが黒色の縦縞があるのがチヌの特徴
銀色の体色に少し薄いが黒色の縦縞があるのがチヌの特徴

釣りでは非常に人気のターゲット

「夏の黒鯛」「冬のメジナ」と対比されるほど、チヌは人気のターゲット。
生息域がぶっちゃけどこにでもいることと、悪食といわれるほどの雑食性から、様々な釣り方が発達している。

古くから親しまれてきたチヌ釣りのためエサ釣りが筆頭ですが、昨今では疑似餌で釣る「チヌゲーム」も盛んに。

代表的な釣り方の一例

エサ釣り

  • ウキフカセ釣り
  • カゴ釣り
  • 落とし込み釣り
  • ぶっこみ釣り
  • ヘチ釣り
  • 紀州釣り
  • かかり釣り
  • かせ釣り
チヌはフカセ釣りのメインターゲットになることが多いです(りんたこみっぴの釣りキャンプ)

疑似餌釣り

  • チニング(トップウォーター、クランキング、フォーリング、ボトムゲームなど)

チニングは俗に言われる「チヌゲーム」。様々なエサに模した疑似餌をアクションでチヌを誘い口を使わせる。

チニングは昨今大人気の釣り方です(TSURIHACK TV)

チヌの釣りでの印象

1年通して安定して釣れるのもチヌの魅力

年中通して釣れる印象が強いお魚さん筆頭。都市近郊部ではシーバスと並んでチヌは通年釣れるとうたっている釣りポイントが多く見られる。
その中でも産卵期の3~5月、秋冬シーズンの9~12月が良く釣れる印象が多い。

超雑食性の悪食です

チヌをターゲットにしたときにエサはどうするのか?と聞かれたら、基本何でも良いと答えるほかないほど「とにかく悪食の雑食性で何でも食べる」です。
小さい若個体は砂地にいる多毛類やスナモグリを探して食べるくらいのようですが、成魚になると悪食具合が他のお魚さんとは群を抜き、とにかく上から降ってくるものや目の前にあるものに食いつく印象。

一般的な釣具屋で売られているエサ

オキアミ, 活けエビ(シラサエビ・地エビ等), 虫餌(アオイソメ、サナギ等), ボケ(二ホンスナモグリ) など

貝類・海藻類

アサリ, イガイ(カラス貝), カキ, 海苔 など

果物・野菜類

スイカ, ミカン, コーン など

エサ取り対策として海中に本来存在しないものをチヌ用に用意したり、その時のチヌの気分を探るために複数のエサを用意し順番に使っていくことも。

コーンで釣れちゃうので活きエサが苦手な人でも安心でしょうか(釣りドラ)

小さくても引きがとても強いのも人気の理由

堤防でよく釣れる20cm前後のサイズでも非常に強力な引きを感じさせ、これもチヌ釣りが人気の理由の1つでしょう。
逆に40cmを超えると釣るのが難しくなってくるのも釣り人を熱くさせる理由かと。
さらに50cm以上の年無しチヌはより一層個体が少なくなるので、長年にわたって目標とされる。

ボラがいるところにチヌあり?

「ボラがいるところにチヌあり」と昔から言われているようで、チヌ釣りの1つの指標ですが、絶対はありません。
ボラがいてもチヌが釣れないことは残念ながら多々あります。ただ、活性が上がったとポジティブに考えてもいいかもしれません。
しかし、水深が浅いところだとボラや他の魚種が群がりすぎるとチヌが嫌がって散ってしまうこともあるため、「時と場合によってはチャンスなのかも~?」程度に思っておくくらいがいいかもしれませんね。

釣りでの目標

まずは数釣りとして10尾からという方、サイズとして30cm→40cm→50cm以上という方、それぞれです。

最初は何も気にせず1匹釣る!

古くからチヌ釣りは盛んだったため、色々な考えの方・思いがありますが、私はサイズを目標にしました。

とはいえ最初は「とにかくチヌを釣って刺身で食べたい!」から始まりました(笑)
フカセでたまたま釣れた約15cmはさすがにリリースしましたが、25cmをお持ち帰りして刺身にして美味かったのは印象が強い思い出です。

その後、30cmを釣って、次は40cm以上だなと思っていた最中に50cmの年無しを釣りました。
こればっかりは単にラッキーでした。(長年、年無しを狙っている同行者の横で釣ってしまって嫉妬されました)

最終的には「年無し」が目標か

とはいえ、やはり「年無し」と呼ばれる50cmが目標にする方が多い印象です。
年無しを釣るために筏・カセに足繁く通われる方はよく見ます。

磯でチヌを専門に狙うチヌ師の方だと60cm以上のロクマルが目標とする方が多いです。

日本記録はあくまで参考記録

日本記録はルアマガ+にて紹介されている「ちぬ倶楽部」という雑誌で掲載された71.6cm(三重県尾鷲市での大会記録)の模様。
かかり釣りでは64.2cm、筏では66cm。
ただ、渡船屋さんや釣具屋さんなどで魚拓が残されているのを探せばこれら日本記録より大きいサイズがあるかもしれません。

夢が広がりますね!!!

管理人の当面の目標

ロクマルこと60cm!!!

ただ、チヌ自体を真剣に狙い始めてまだ2年目の若輩者。
自身で釣った30cm以上の良サイズに限ると実は5尾も満たない(執筆時点)ため、コンスタントにチヌを釣れるようになりたいというのも目標です。

管理人の現状のベストサイズは50cm(マイポイント1にて)
管理人の現状のベストサイズは50cm(マイポイント1にて)

美味しく頂けるけど・・・?

管理人は常にキャッチ&イート!

刺身、煮付け、フライ、ムニエル、西京焼きなど美味しく頂ける料理が多く、釣れる度に何で食べようか悩みますw
大体は刺身、面倒なときは煮付け、同行者がたくさん釣ってお裾分けいっぱいもらったらフライやムニエルや西京焼きを作ってみる感じです。

食すのを敬遠する人が多い印象

その一方で悪食の雑食性でなんでも貪欲に食べる習性や、都市近郊部で排水周りで生息している個体が臭かった等の要因から食べることを嫌う人が一定数います。

年中釣れるお魚さんで生息域・雑食性故に、その時々で当たり外れはどうしてもあります。
関西で言えば大阪湾の中でも大阪市内やその周辺(堺市、尼崎市など)で釣れるチヌは臭いという方が多いですが、釣れた際にしっかりと下処理をすればアラの部分はともかく、身はお刺身で食べても非常に美味しいです。

釣れる場所次第?

釣れる場所によっては臭みが強くなることがあり、工場地帯の潮通しの悪い湾内に居ついている個体や、排水の多い河口部等では臭いがキツかったりするのかもしれません。
そういった場合はリリースがいいかもしれません。

釣れる時期次第?

釣れる時期によっては他のお魚さんと同様ですが、やはり旬とされる時期に釣れた個体の方が脂がのって美味しいです。
地域差はありますが旬とされている11~3月が味がよく、産卵直前~産卵期直後の特に6・7月は痩せた個体が見られ、味が落ちると言われています。

下処理をしっかりすれば!

そのため、なにがなんでも「チヌは不味い」と言ってる方・思われている方は、釣れた場所や時期を見たり、しっかりと下処理(血抜き、血合い・内臓取りなど)をこれでもかとしてから自宅へ持ち帰り、刺身にしたり煮付け・ムニエル等の調理をして食してみてほしいです。

瀬戸内海の方では名物料理があるらしい

もっとも、調理が面倒だー!って方は、西日本の特に瀬戸内海方面では産地として名物料理があるようなので、旅行がてら行ってみるのもありかもしれません。

また、チヌの食害問題が年々増してきたことからチヌを採捕して料理に利用できないかという動きが出てきているので、気づいたら街中にチヌ料理が目につくようになるかもしれませんね!

ご注意ください

一部地域では「不祝儀に使われるために縁起の悪い魚」とされていたり、元々食べる習慣がないという地域もございます。
そのため、食べない・食べたくない・食べられない等の方には、おススメはしても無理強いはしないでください。

<管理人の食べた感想>

20,30,40,50cmの各サイズを刺身を食べたことがあり、また都市近郊部(大阪湾の大阪市内や神戸市内エリア)で釣ったチヌも食べましたが、これまで食べたものは全て美味しかったです。
刺身に関してはなんだったら真鯛より好きなくらいです。

身は真鯛にそっくりな見た目ですが、あっさり上品な真鯛と比較すれば濃厚な甘みのある味といった感じでしょうか。

アラの部分はどうしても臭みが目立ち、私は苦手でした。下処理が甘かったのか・・・と悔やみました。
ただ、父や祖母は美味い美味いといいながら食べてて、このあたりは好みの差なのかな?と感じました。

グレの天ぷらと骨せんべい
チヌのお刺身とアラの天ぷら など

参考文献

関連ブログ



Comment

コメント

9÷3 = 

※ 現在スパムコメントが非常に多いため承認制とさせて頂いております。管理人の承認後にコメントが掲載されます。


    コメント一覧を取得中……

モフィーの趣味のままに・・・気のおもむくままに!

モフィーの趣味のままに・・・のバナー