• お魚図鑑 - ガシラ(カサゴ/笠子)
  • 2025/06/27 0:22

魚名(当ブログでの呼称)

ガシラ

和名

カサゴ
(鮋・笠子・瘡魚)

英名

False kelpfish
Marbled rockfish

その他の有名な名称

アラカブ, アカソイ

分類

スズキ目 / Perciformes
亜目
カサゴ亜目 / Scorpaenoidei
メバル科 / Sebastidae
亜科
メバル亜科 / Sebastinae
カサゴ属 / Sebastiscus
カサゴ S. / marmoratus

ガシラの特徴

鮮やかな赤色に白色の点々が特徴的!?

全長は最大で30cmと小柄ながら非常に素早く力強い。

体色は、綺麗な赤色から黒味を帯びたものに不規則な形状の薄色斑(白色の点々)が見られるのが特徴。
体色の色味や模様は個体や生息環境によって異なり、「ガシラ・・・だよね?」と特に夜中に釣れた際は触れる前に念のために確認するほど異なることがある。

黒色が強い個体ですが薄色斑はハッキリ見えます
黒色が強い個体ですが薄色斑はハッキリ見えます

ヒレの棘には毒腺がある?ない?

背ビレには立派な棘があり刺さるととても痛い。調理中によくグサッとなって悶絶したこともあります。
頭や腹ヒレにも棘があり触る際は注意が必要なため、できればフィッシュグリップや魚つかみを使う方が良いだろう。
この棘は毒腺を持つとされているが、とりあえず鋭く尖っているため刺されれば痛いのは間違いない。
しかし「毒の強さはない」とされていたり「弱い毒とするもの」や「重症では呼吸困難などを伴う」など図鑑や水族館などの説明で評価が分かれるため、不安な方は前述したフィッシュグリップなどを使って触らないようにしましょう。

生息域はとても広い

生息地は広く、北海道南部から朝鮮半島・中国・台湾など、日本海・太平洋側のどちらでもよくみられ、南の方だとフィリピンあたりまで分布している。
そのため、ロックフィッシュ(根魚)を狙っているわけではないのに、底付近を狙っていると「ガシラが釣れた」という方、実に多いのではないだろうか。

食性は肉食派

基本的にはその場にじっと獲物が現れるのを待ち、獲物が間合いに入ると素早く飛び掛かる。
基本的には肉食で、ゴカイなどの多毛類、甲殻類、小魚などを大きな口で捕食する。釣りではイカの切り身を使った穴釣りが有名。

カサゴの獲物を狙う瞬間あそこを見ていた!(Youtube - スイチャンネル)

近縁種との比較1 メバル

ガシラが釣れる場所では「メバル」もよく釣れます。生息域がだだ被りしているのも似ています。
近縁種のメバルとはフォルムがぱっと見似ていますが、メバルが体色が茶色で薄色斑が薄い。ガシラは先に述べたように赤色が強く薄色斑がハッキリしている。
また、尾びれ・腹びれが特に棘がメバルより強い感じ(つまり痛い)です。一番わかりやすいのは口の形状で、上唇が前に出ている方がガシラ、下唇が前に出ているとメバルです。

マイポイント1で釣れるメバルは少し色が薄め
マイポイント1で釣れるメバルは少し色が薄め

近縁種との比較2 タケノコメバル

さらに似ているのが「タケノコメバル」という種で、名前の通りメバルのお仲間さん。
ガシラ・タケノコメバル・クロソイは共に同じような場所に居着き、食性も似たり寄ったりのため、エサ釣りでもルアーフィッシングでも同様に釣れる。
いざまばらに釣れ出すと「こいつはどっちだ?」となりかねない。筆者も大阪湾でガシラとタケノコメバルが釣れた際に、悩んだ結果「Googleの画像検索」に頼った経緯がある。

このタケノコメバルは色味が違うのでわかりやすいが、あれ?となりました
このタケノコメバルは色味が違うのでわかりやすいが、あれ?となりました

近縁種との比較2 ウッカリカサゴ

一番の近縁種が「ウッカリカサゴ」で、「日本の魚類学者が(本種とカサゴとの違いに)気付かずウッカリしていたため、ウッカリカサゴと命名した」というほど、プロの目で見ても見間違うくらいそっくり。
大きいものは生息域が沖よりになるが小さいものはガシラと似た生息域にもいるため、実はこれまでに釣ったガシラの中にウッカリカサゴが混じってたこともあるかもしれません。

ガシラの釣りでの印象

良く釣れる根魚代表だけど・・・?

ライトゲームで良く釣れ、根魚(ロックフィッシュ)の代表格を担っているガシラくんですが、メインに狙うことは意外と少ないかもしれません。

ライトゲームではホッとする安心感

ライトゲームでは本命が「アジ」「メバル」となり、底付近を狙うとガシラがよく釣れる。
ただ、ガシラを本命にする人はほぼいないのではないだろうか。もっともガシラが釣れてボウズは免れホッとするアングラーは多いことだろう(笑)

ライトロックフィッシュ入門(Youtube - TSURIHACK TV)

ロックフィッシュ狙いでも次点か

ロックフィッシュ狙いも同様で、メバル・アイナメ・アコウ・ハタ類(アカハタ、オオモンハタ、クエなど)が本命となることが多く、ライトゲーム同様に「ガシラを狙いに行く」という人はほとんど聞くことがないでしょう。
しかし、ガシラも根魚のためよく釣れるのはライトゲーム同様です。ホッとするのも同様ですね(笑)

金丸プロによるキジハタ(アコウ)の釣り方講座(Youtube - TSURIHACK TV)

穴釣りだと本命視されやすい

ガシラが本命となる釣りといえばやはり「穴釣り」だろう。
消波ブロックやケーソンブロック・岩礁帯の隙間にブラクリという錘と針が近い仕掛けにイカや魚の切り身をつけて落とし込むと、ガシラをはじめ、ソイ・アイナメ・カジカなどを狙える。
地域差はあるものの大抵の場合はよく釣れるガシラが本命ターゲットにしている方が多い印象です。

【ブラクリ】穴釣りで根魚を狙う方法(Youtube - 釣りって、学べる。)

夜間のフカセ釣りだと本命ターゲットに

筆者の場合はフカセ釣りの底狙いのターゲットにすることが多いです。
特に夜間は回遊魚を除くと、岩礁帯・消波ブロック沿いの底狙いでのガシラが本命になります。特に釣果が著しく下がる真冬でも釣れるガシラには安心感を授けてくれるため大好きですw
20cm前後になるとかなり素早くとても力強くなり、一瞬で餌を持って行き、ウキが一気に沈んでいくのがとても面白い。
一方で底ギリギリのタナにするとその場でエサを食べてじっとするのでウキがまったく動かないなんてことも。
そして、引きもサイズに比例して強みが増し、25cmにもなると重さも相まって強烈な引きになる。

もっとも、フカセでわざわざガシラを狙う人は少ないだろうが、五目釣りをするのであれば是非狙ってみてほしい。

ガシラは夜のサビキにも食ってきます
ガシラは夜のサビキにも食ってきます

とにかく好奇心旺盛な模様

ルアーフィッシングのアクションもそうだが、チヌ釣りで使われるコーンやナス型の錘にまで反応を示してアタックしてくることもある。
自分の間合いにある動くもの、臭いのキツいものが特に興味を引くのか、見えているガシラを相手にあれこれ試すと楽しい。

アルミホイルに反応するお魚さんたち(Youtube - スイチャンネル)

ガシラの釣りでの目標

やはり最大サイズにあたる30cmオーバーでしょう。
身近に釣れる・釣りやすいガシラですので、何かしらチャンスはあるものの、最大サイズとなれば10年以上生きている高齢個体のため、個体数は限りなく少ないと思われます。

はじめは20cmを目指し、よく釣れるサイズの25cmへとステップアップし、あとはライトゲーム・ロックフィッシュ狙いで大物狙いの一貫として、ガシラの最大サイズを狙いに行くのが良いのかもしれません。

筆者の目標

最大サイズ30cmオーバー!!!

最大サイズにできる限り近い個体を釣ってみたいです。 そのためにポイント次第ではノマセ釣りのエサをキビナゴにしてガシラ・アコウを狙いに行ってたりします。・・・まぁ、キビナゴだと15cm前後の個体もよく釣れるのでノマセ釣りのエサは絶賛模索中です。

スケールで計測した時の写真はないですが自己ベストはこの25cmです
スケールで計測した時の写真はないですが自己ベストはこの25cmです

ガシラは高級魚?とても美味しく頂ける!

1kg4000円以上も!?意外と高級魚なガシラちゃん

釣り人にとってガシラはとても身近なお魚さんですが、根魚は狙うことが少ない・底引き網で入りづらいということもあり、市場では意外と流通量が少なく1kg4,000円を超えることもあるようだ。(25cm級だと3~5匹換算の値段!!!)

鮮度の良いものやサイズの大きいものはいい値段で取引されているようです。高級料亭などでも出されるほどですが、そこまでの高級魚というわけでもなく、大衆魚と高級魚の中間的な位置づけという感じでしょう。

見た目は兎も角味は最高!!!

さて、肝心のお味ですが、見た目に相反して白身ながら脂がのっていて非常に美味しい。一般的な調理法である刺身・煮付け・塩焼き・唐揚げ等はもちろんのこと、潮汁や味噌汁などの汁物、ちょっとお洒落なアクアパッツァなど料理の幅が広い。

おススメは「ガシラの唐揚げ」です

筆者が特におすすめするのは「唐揚げ」です。
小ぶりであれば丸ごと、大きいものは3枚に卸してから。衣のザクッとカリッと感からふっくらとした身が食感・味ともに素晴らしい。3枚で降ろした場合は骨やヒレを骨せんべいにすると楽しめ、残った頭を含めたアラは味噌汁の出汁にしたり、他のお魚と併せて煮付けにすると内臓以外余す事なく食べられる。

ガシラの頭付き唐揚げ、最高です★
ガシラの頭付き唐揚げ、最高です★
煮つけもハマっちゃう美味しさ(写真はガシラとグレの煮付け)
煮つけもハマっちゃう美味しさ(写真はガシラとグレの煮付け)

美味しいお魚さんで毎回お持ち帰りしたいけど・・・

多少小さくてもお持ち帰りしたいくらい美味しいガシラくんなのですが、来年以降もガシラを釣りたいので針を飲み込んで死んでしまった等の理由ありを除けば18cm以上を独自のキープサイズ・お持ち帰りサイズにしています。
また数もその日の晩御飯分だけにする、と。それくらい筆者は好きなお魚さんのガシラです。

参考文献

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